福田公認会計士事務所

福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 経営革新等支援機関とは? 認定制度の概要や事業者が支援を受ける流れについて

経営革新等支援機関とは? 認定制度の概要や事業者が支援を受ける流れについて

記事コンテンツ

中小企業の支援をするため、政府は多種多様な施策を打っています。その1つに「経営革新等支援機関認定制度」というものがあり、同制度に基づいて事業者は、補助金申請・経営改善・資金調達などに向けた支援を受けることができます。

「現状抱えている課題を解決したい」「補助金を申請したい」といった場面でぜひ知っておきたい制度ですので、当記事でその概要や支援を受けるための流れなどを紹介いたします。

 

経営革新等支援機関認定制度について

「経営革新等支援機関認定制度」とは、ざっくり言うと中小企業の活動を支援するための制度ですが、具体的には「中小企業に対して、高い専門性をもって支援を行う機関を認定する制度」といえます。

経営課題も複雑化・多様化していることから、支援事業の担い手についても多様化や活性化を図る必要があったのです。そこで中小企業等経営強化法に基づいて同制度が運用されています。

この制度では、所定の手続を行った専門家やその組織が「経営革新等支援機関(認定支援機関)」として認められます。例えば次のような専門家等が認定を受けて事業者の支援を行っています。

  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 中小企業診断士
  • 民間コンサル
  • 商工会
  • 商工会議所
  • 銀行
  • 信用金庫 など

 

認定支援機関がすること

認定支援機関がすること、事業者に対してできる支援の内容は、大きく次の4つに分類できます。

 

支援の内容詳細
補助金申請の支援

事業再構築補助金や事業承継・引継ぎ補助金などの申請支援を行う。
事業再構築補助金であれば、事業計画書の策定に協力したり、補助金の趣旨に合った内容であることの確認をしたりする。事業承継・引継ぎ補助金であれば、事業者が地域に貢献する中小企業者等であることや取組内容に独創性が認められることの確認を行う。

経営改善計画策定の支援

借入金の返済など、財務上の課題を抱える事業者に対し、経営改善計画の策定を助ける(経営改善計画策定支援事業)。
また、経営改善が必要になる前段階から早期に資金繰り等の改善を図る簡易な経営改善計画の策定も助ける(早期経営改善計画策定支援事業)。

資金調達の支援

日本政策金融公庫や信用保証協会を対象に、認定支援機関を介して資金調達を行うことができる。この場合、一般的な資金調達に比べて金利などいくつかの要素で優遇を受けることができる。

税制優遇制度活用の支援

先端設備等導入計画や事業承継税制に基づく優遇措置を受けようとするとき、添付書類が必要になる。要件を満たしていることの確認を認定支援機関が行うことができ、計画内容についてのアドバイスなどもできる。

 

事業者が支援を受ける流れ

事業者が経営革新等支援機関認定制度に基づき、認定支援機関からの支援を受けるときは、次の流れに沿って必要な作業を進めていきましょう。

  1. まずは自社の経営課題の確認
  2. 課題解決に合った認定支援機関を選定する
  3. 選定した専門家に相談して改善計画の策定などに取り組む
  4. 事業計画を実行する
  5. モニタリングやフォローアップをしてもらいながら継続していく

 

認定支援機関の探し方

認定支援機関を探すときは、下記URLから中小企業庁の検索システムにアクセスしましょう。

https://www.ninteishien.go.jp/NSK_CertificationArea

アクセスすると都道府県を選択する画面が出てきますので、該当するエリアを選択します。さらに検索条件を詳細に設定する画面が出てきますので、キーワードや専門家の種別、相談先の機関の種類、相談内容のジャンルや業種などで絞りましょう。

すると指定した条件に該当する認定支援機関が表示されますので、そこから自社に合うと思われる相手方を探し出します。候補が多くと困るというときは、「PRセールスポイント」の欄や、過去の実績をチェックしてみましょう。これまでいくつの事業者を支援してきたのか、また、補助金の採択率なども確認できます。

 

認定支援機関の関与が必要な補助金等

上述の通り、「事業再構築補助金」を受けるには認定支援機関の関与が必要です。同補助金は新型コロナウイルスが流行したことで厳しい状況にある中小企業を支援するための補助金なのですが、必須要件の1つに“事業計画書の作成および認定支援機関による確認”が掲げられています。

また、日本政策金融公庫では中小企業でも利用しやすい資金調達制度を多く展開していて、その1つに「新規開業資金(中小企業経営力強化資金)」があります。新創業融資制度との併用も可能で、立ち上げ段階での資金調達に役立ちます。ただしそのためには“事業計画書を策定して認定支援機関の指導・助言を受けていること”が必要です。

他にも「月次支援金」「中小企業経営強化税制C類型」「企業再生貸付制度」「経営力強化保証制度」など、多数の施策で認定支援機関による関与が求められています。

こちらからも補助事業の内容やそれに対応する認定支援機関の役割が確認できます。