福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 会社設立時にものづくり補助金は利用できる?創業期のチェックポイント
創業期は、資金不足で悩むケースが多く、資金調達方法を複数視野に入れて対応していくことが重要になってきます。ここで候補に入れておきたいのが「ものづくり補助金」です。
特に会社設立時の利用に関して、申請にあたって重要なポイントなどをここで解説いたします。
ものづくり補助金は、生産性向上のために取り組む中小企業等を支援するための補助金制度です。「革新的な製品やサービスの開発」「海外需要に向けての開拓」のための設備投資にかかる経費を一部支援することで生産性向上を推進し、ひいては経済全体の活性化を狙いとした仕組みでもあります。
利用にあたって必ずしも十分な実績を持っている必要はなく、創業から間もない会社であっても申請可能です。
ただし、厳格に定められた申請要件を満たすこと、必要書類の準備も欠かすことはできません。
残念ながら、会社設立手続き中(法務局での登記完了前)の段階だとものづくり補助金を利用することはできません。
申請にあたっては、「法人登記が完了していること」、そして「gBizIDプライム」を取得済みであることが求められます。
補助金申請の手続きは電子化されており、ログインには「gBizIDプライム」が必要です。このID発行には印鑑証明書が求められることから、会社が存在していない状態だと申請ができないのです。
会社の設立登記を済ませてから、具体的な手続きに着手しましょう。
資金の流れについて把握しておくことは、特に創業期の会社にとって重要です。とりわけ補助金や助成金の受給については、そのタイミングとスケジュールを細かく把握しないといけません。
まず、会社設立登記が完了するまでには1〜2週間ほどかかります。
設立登記が認められ法人格が得られてから印鑑証明書を取得。準備ができれば、「gBizIDプライム申請」を行います。こちらも発行には一定期間を要するため、早めに準備してください。即日発行ではありません。
また、IDの準備と並行して「事業計画書の作成」も必要です。ただ作るだけでなく質の高いものを作る必要がありますので、申請期限にも配慮しながらより良いものを作り上げましょう。その際、税理士などの専門家にも協力してもらうと良いです。
スムーズに各手順が進められたとしても、補助金が入金されるまでには数ヶ月を要します。
事業計画書等を提出し、審査結果を待つ期間に2〜3ヶ月ほどかかりますし、採択後に改めて「交付申請」を行わなければなりません。交付決定の通知を受け取ってから、入金前に事業を実施することになります。設備の発注・納品・支払いを行うため、この段階では全額自社で負担できないといけません。
さらにその後、実績報告の審査も経て振り込みが行われるのです。このように実際に補助金が入るのは設備代金を支払った「後」です。創業期は銀行融資の審査も厳しいため、「先に払う資金」の確保が難所となるかもしれません。
実績のある会社なら当たり前にクリアできる要件でも、創業期の会社にとっては高い壁になることがあります。特に注意すべき3つのポイントを見ていきましょう。
通常、申請には直近2期分の決算書(法人の場合は貸借対照表、損益計算書等)が必要です。しかし、設立初年度で決算を迎えていない場合はこれらがありませんので、提出資料がない旨を記載したファイルを添付することで対応します。
《 設立間もない会社が用意すべき書類 》
そのため「決算書がないと門前払い」というわけではありません。ただし、実績がない分計画書を厳しくチェックされることが予想されますので、根拠を提示し説得力のある資料を作るよう意識しなくてはなりません。
ものづくり補助金には、「事業場内最低賃金の引き上げ」や「給与支給総額の増加」という要件があります。
よって、応募申請時点で従業員数が0人だと対象となる給与が存在しないため補助金に申請することができません。
規模がまだ小さい会社だからこそのメリットもあります。
たとえば従業員数が少ない(常勤が5人以下などの)場合、補助率が「1/2」から「2/3」へと優遇されるケースがあります。
※「小規模企業者・小規模事業者」の定義に当てはまる場合の措置。
この割合は、設備投資額が900万円だとすれば次のような差を生みます。
創業期の資金繰りに大きく影響しますので、自社の状態を再確認してこの要件に当てはまるかどうか、チェックしておきましょう。