福田公認会計士事務所

福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > NPO法人を設立するには何が必要か~手続きの流れと会社設立との違い~

NPO法人を設立するには何が必要か~手続きの流れと会社設立との違い~

記事コンテンツ

資金調達や行政との協働・事業委託などを視野に入れて特定の活動に取り組むのであれば、NPO法人の設立を選択肢とすることが考えられます。
一般的な会社設立とは異なる手続きが必要となりますので、NPO法人の立ち上げを検討するなら、設立や必要書類、注意点等を押さえておきましょう。

 

NPO法人は「認証」を受けて初めて成立する

NPO法人(特定非営利活動法人)は、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づく非営利法人です。

福祉・環境・教育・文化・災害救援など17分野の活動を主たる目的とし、利益を構成員に分配しないことを前提とします。
※活動に必要な収益を上げることは可能で、「非営利=無収入」を意味するわけではない。

会社を設立する場合と大きく異なるのは、設立登記だけで手続きが完結しない点にあります。所轄庁(主たる事務所のある都道府県等)に申請して「認証」を受け、その後に法務局で設立登記を行うことで初めてNPO法人として成立する仕組みになっています。

 

設立までの流れは3つのステップ

NPO法人として成立するまでには、①設立準備、②認証申請、③登記という3段階で進みます。

準備開始から法人成立まで3,4ヶ月ほどかかるため、活動開始の時期から逆算してスケジュールを組むことも大切です。

なお、一般的な会社設立と比べてNPO法人の設立は以下の点に違いがあります。

  • 都道府県等への申請先が必要
  • 縦覧期間が設けられること
  • 登録免許税が費用としてかからない
  • 書類準備の手間が大きい
  • 手続きに着手してから法人成立までの期間が比較的長い

 

ステップ1:設立準備

まずは活動目的を明確にした上で、賛同者を集めて役員および社員の体制を整えます。法律上、社員は10人以上、役員は理事3人以上と監事1人以上が必要です。

人員が揃えば、定款・設立趣旨書・事業計画書・収支予算書などの書類を作成しましょう。
※ひな形は各都道府県のホームページからダウンロードできる。

書類が一通り揃えば、所轄庁へ相談を行い、不備を確認しながら設立総会の準備を進めます。設立総会では役員選定や定款について全メンバーで合意し、その議事録は申請時に必要となるため必ず記録に残しておかなければいけません。

 

ステップ2:認証申請

書類が揃ったら所轄庁に提出します。

申請が受理されると、定款・事業計画書・活動予算書などが一般に公開される「2週間の縦覧期間」が始まります。これは会社設立にはない手続きです。

さらに縦覧期間と並行して書面審査も行われ、縦覧終了後から原則2ヶ月以内に認証または不認証の決定が通知されます。

 

ステップ3:登記と届出

認証通知を受け取った日から2週間以内に、主たる事務所を管轄する法務局で設立登記を行います。この登記によってNPO法人として正式に成立します。登記完了後は、登記事項証明書と財産目録を添えて所轄庁への届出も必要です。

なお、認証を受けた後、長期間(6ヶ月程度)登記が行われない場合には、所轄庁により認証が取り消されることがありますのでご注意ください。

 

申請に必要な主な書類

申請書には以下の書類を添付して所轄庁に提出します。

提出書類

詳細

定款

目的・名称・役員・会計・解散などの法定事項を記載

役員名簿・就任承諾書

役員の氏名・住所・報酬の有無、就任の意思確認を行うための書類

社員名簿

10人以上の社員の氏名・住所を記載

設立趣旨書

設立の経緯と目的を説明するための書類

設立総会議事録

定款・役員選定などの合意を証明する

事業計画書

設立初年度と翌年度の2期分を作成

確認書

宗教、政治活動や選挙運動を主たる目的とする団体でないこと、暴力団等に該当しないことなどを確認する書類

定款は特に重要で、NPO法で定められた記載事項をすべて網羅する必要があります。所定の項目に抜け漏れや矛盾があると不認証となりますので、事前に専門家にチェックしてもらうことがスムーズな認証への近道となるでしょう。

 

法人設立後に目指せる「認定NPO法人」について

NPO法人としての実績を積んだ後に、さらに「認定NPO法人」という地位を取得する制度があります。

所轄庁への申請・審査を経て一定の基準を満たすと認定を受けられます。
※有効期間は5年(更新可能)。

大きな利点は寄附に関する税制優遇にあります。個人が認定NPO法人に寄附した場合は、所得税について寄附金控除の適用が受けられ、一定の要件を満たす寄附については個人住民税の控除が認められることもあります。法人からの寄附についても、一般寄附金の損金算入限度額とは別枠の損金算入限度額が設けられるなどの優遇があります。

ただし認定を受けるには、設立から1年超を経過するなど複数の基準を満たす必要があります。設立後の運営を軌道に乗せながら、認定取得を見据えた準備も進めていくと良いでしょう。