福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 新規設立の会社は社会的信用が低い?融資を受けやすくするための対処法とは
会社を設立したばかりの時期は、融資の審査において不利な立場に置かれることが多いのが実情です。決算書がなく実績もない。金融機関からすれば判断材料が乏しく、行く先が読みにくい相手と映るでしょう。
それでも、適切な準備と知識の備えがあれば融資を受けられる可能性は十分にあります。どう動けばいいのか、ここで基本的な対処法をご確認ください。
金融機関が融資の可否を判断するとき重視するのは「この会社はきちんと返済できるか」という点です。
その判断材料として使われるのが、過去の決算書、納税証明書、取引実績などです。
しかし、設立間もない会社はこれらがほとんど存在しないため、審査担当者が定量的な評価を行いにくい状況となるでしょう。
加えて、代表者個人の信用情報も重要な判断要素です。
過去に延滞や債務整理などの経歴があると、法人の審査においてもマイナスとして影響するおそれがあります。
実績がない点は変えようがありませんが、その代わりとなる材料を用意することは可能です。
具体的には、①精度の高い事業計画書、②自己資金、③代表者の業界経験や保有スキルの提示などが、判断材料として機能します。
特に事業計画書は、過去の実績がない分「根拠のある将来の見通し」としてよく考えて作りこむ必要があるでしょう。
誰に何を売るのか、売上の根拠はどう説明できるか、費用と収支のバランスは現実的か、といった点が丁寧に記載されているかどうかで印象は大きく変わります。
新設会社の融資審査においては事業計画書の役割が大きくなりますので、抽象的に「どんな事業をするか」を伝えるだけでなく、「数字の根拠を説明できているか」「リスクを認識しているか」まで意識して作っていきましょう。
特に意識しておきたいポイントは次のとおりです。
チェック項目 | 記載のポイント |
|---|---|
事業の概要 | 誰に、何を、どのように提供するかを具体的に記述。抽象的な表現は信頼性を下げてしまう。 |
市場・競合の分析 | 根拠のある市場規模の提示。競合に対する自社の優位性も明確化する。 |
売上・収支計画 | 月次での収支推移を示し、売上の算定根拠(単価×件数など)を明記する。予測になるため、いくつかのパターンを想定しておく。 |
必要資金と使途 | 融資額の内訳と、それぞれの金額の根拠を具体的に説明する。 |
代表者の経歴 | 業界経験や人脈、技術力など、事業遂行能力を裏付ける情報を具体的に記載する。 |
楽観的すぎる売上予測や、費用の見積もりが粗い計画書は、かえって審査担当者の不信を招いてしまいます。現実的な数字をベースに、根拠を丁寧に記述することが重要です。
どれだけ精緻な事業計画を用意しても、自己資金が極端に少ない場合は審査に通りにくくなります。
「本人にリスクを取る意思がある」という姿勢を示す意味でも、自己資金を割合多めに用意することが高い評価へとつながります。一般的な目安としては必要資金の3割程度、少なくとも1割程度は用意しておきたいところです。
民間銀行だと業歴の浅い企業への融資に慎重なケースが多いですが、政府系・公的機関には、設立間もない事業者による利用を想定して設けられた融資制度がいくつかあります。
そこで、以下の仕組みを活用することも視野に資金調達を進めると良いでしょう。
なお、これらの制度はいずれも申請要件や手続きが定められており、所定の条件を満たさなければ利用はできません。また制度内容は変更されることがあります。本格検討するなら最新情報を各機関の公式サイト等で確認しましょう。情報収集や手続きを効率的に進めたい場合は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。