福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 税理士へのよくある不満と解決をする方法について
税理士と契約を交わすことで、業務効率や作業精度の向上、節税対策が取れること、資金調達やその他経営戦略のアドバイスが受けられるなど、様々な効果が期待できます。
しかし税理士との関係が常に良好であるとは限らず、期待した効果が得られないことや人としての付き合いにストレスを感じてしまうこともあります。不満を抱えたまま関係を続けるべきではなく、何らかの対処をして問題解決を図るべきでしょう。
不満の内容も各社各様ですが、ここではよくある不満をピックアップしてそれぞれの問題点に言及し、解決する方法についても考えていきます。税理士に不満を感じている企業の方はぜひ参考にしてください。
税理士個人の態度や人としての相性に問題があるケースもあれば、専門家としてのスキルや対応に問題があるケース、料金体系や窓口担当など税理士事務所に問題があるケースなどさまざまです。
当然、問題によって解決方法は異なります。今直面している不満内容と照らし合わせながら、自社にとって最適な解決策を考えていくことが大事です。
税理士の態度が悪く、言葉遣いが荒いと、コミュニケーションにストレスを感じることもあるでしょう。税務のプロとして能力に問題がなくても、普段のやり取りが高圧的であったり上から目線であったりすると気疲れしてしまいます。
また、自社から積極的に質問をしたりアクションを求めたりするのも気が引けてしまい、十分に税理士を有効活用できなくなる可能性があります。
高圧的な方に対して「その態度をやめてほしい」と伝えるのは心理的なハードルが高いですし、揉めてしまう可能性もあります。特にストレスが大きな場合は税理士の変更も考える必要があるでしょう。
「頼んだ仕事をなかなかしてくれない」「質問をしてもなかなか回答が返ってこない」など、対応の遅さに不満を感じるケースも珍しくありません。
顧問税理士が相手である場合、気になる質問をすぐに投げかけられる点などにメリットがあるところ、対応が遅すぎると顧問契約を締結した意味が薄れてしまいます。
このような場合は我慢して悩み続けるのではなく早めに指摘して改善を求めるべきです。指摘後も改善がまったく見られないようなら、変更も視野に入れましょう。
ただし、「なぜ対応が遅くなったのか」ということに目を向けることも大事です。
税理士の単なる怠慢ではなく、繁忙期ですぐの対応が難しかったという事情があったのかもしれません。普段は対応が早いものの少し遅くなる時期がある、という程度であれば変更先の税理士でも同じ問題に直面する可能性があります。
「税理士と契約をしているにもかかわらず経理業務の負担が大きい」と不満を感じるケースもあります。税理士を上手く活用できていないと費用対効果が下がり、費用の割に負担が軽減されていないと感じてしまうでしょう。
この場合は必ずしも税理士側の問題とは限らず、契約内容の見直しが必要になるかもしれません。依頼すべき範囲が適切でない可能性がありますので、経理担当の声を聞いたり税理士と話し合ったりして経理業務の負担が小さくなる方法を探しましょう。
例えば記帳代行などの依頼を検討します。料金は増えますが、社内の負担が軽減され、社内のリソースを別に回せることで、デメリットより大きなメリットが得られるかもしれません。
「税理士が付いている利点以上に費用面での負担を感じる」というケースもあります。この場合も契約内容の見直しを行う必要があります。
現在依頼している作業を自社で対応することはできないか、別のサービス内容に変えた方が良いのではないか、など様々な視点からコストカットを検討していきます。
例えば、顧問税理士の訪問頻度に対してあまり恩恵を感じていないのであれば、訪問頻度を下げてその分料金を下げてもらうなどの交渉を持ち掛けても良いでしょう。扱いやすい会計ソフトを自社で導入して記帳対応をし、記帳代行分のコストカットを狙うなどのやり方もあります。また、年商が契約締結当初から下がっているなど、税務の負担が小さくなっていることを理由に値下げ交渉をするのも有効です。
記帳や申告作業など、最低限の仕事だけを税理士に期待して契約することもあれば、経営戦略にも関わる積極的な提案も求めて税理士と契約を締結することもあります。
そこで「聞けば答えてくれるが、税理士からの提案がない」「新たな制度が開始されるものの、税理士から対策方法などのアドバイスがない」といった不満を感じるケースもあります。
専門家でない方からすれば「何を理解できていないのか、何を理解すべきなのか、ということすら分かっていない」という問題もあり、その場合は質問を投げかけることも難しくなります。
より税理士と密にコミュニケーションを取り、自社が求めていることを知ってもらう、能動的に動いてもらうよう働きかける、などの対応を検討してみましょう。
税理士個人への不満ではなく、税理士事務所とのやり取りで窓口になっている担当者に不満を感じるケースもあります。
「担当の方に知識が足りておらず話がなかなか伝わらない」「頻繁に担当者が変わっており同じことを何度も伝えている」などの問題に悩んでいるのであれば、代表あるいは担当の税理士などに相談して対応してもらいましょう。
複数人スタッフがいるときは別の担当に代えてもらえるかもしれません。他にも、スタッフへの教育の実施、引き継ぎのマニュアルを作るなどの対応を取ってくれるかもしれません。
自社と税理士、どちらかに明らかな問題があるわけではないものの、考え方に大きなずれがあって嚙み合わないこともあります。
例えば自社としてはできる限りの節税対策を取りたいと考えているものの、税理士側の経費に対する考えが厳格で、節税の方針に前向きではないなどの不一致に不満を感じるケースがあります。
どうしても考えが合わないときは税理士の変更も視野に入れる必要があるでしょう。
税務の領域においても法改正などを経てデジタル化の流れが進んでいます。しかし税理士側が十分にデジタル対応できておらず、「電子化に一切対応してくれない」「クラウド会計システムについての知識がない」「証憑類の電子保存方法について明確な答えが得られない」といった不満を持つケースもあります。
新たなシステムの導入やデジタル化を積極的に進めて体制を変えていきたいと考えているのであれば、別の税理士に変更することも検討してみましょう。
不満の内容はいろいろあるかもしれませんが、税理士と契約している企業としては、主に次の3つの対処を検討することになるでしょう。
なお、税理士を変更する際はタイミングに注意しましょう。現在の税理士に任せている仕事が中途半端に残っている場合、引き継ぎが大変です。すべての書類を回収しなければなりませんし、直近の決算に支障が出てもいけません。税理士事務所の繁忙期、決算時期などはできれば避けて、大きな仕事がひと区切りついたタイミングで変更の手続を進めていくと良いです。