福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 税理士を変更する前に「セカンドオピニオン」を活用するメリットとは
税理士の変更は、企業の税務や経営に大きな影響を与える重要な決断です。しかし、新しい税理士に切り替える前に、現状の税務サービスや提案内容が本当に適切なのか、第三者の専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。
本記事では、税理士変更を検討する際の「セカンドオピニオン」活用のメリットと具体的な進め方について解説します。
「セカンドオピニオン」とは主に医療分野で使用される用語で、「主治医以外の医師から別の意見を聞くこと」を意味します。
この考え方は医療分野に限らずさまざまな専門サービスにおいても重要であると認識されており、税理士サービスに対してもセカンドオピニオンが実施されることがあります。
このときのセカンドオピニオンは、現在の顧問税理士とは別の税理士に相談を行い、専門的な見解を求めることを指します。
具体的には、現在受けているアドバイスや税務処理が適切であるか、税務戦略が妥当か、税理士報酬の相場感などについて、第三者の専門家としての意見を求めることになります。
セカンドオピニオンを求めるということが常に顧問税理士への不信感や不満を示すものではありません。むしろ、より良い経営判断や税務戦略を実現するための積極的な情報収集活動として捉えるべきであり、実際にいくつもの税理士事務所がセカンドオピニオンのサービスを提供しています。
気になる点、不満がある場合でも、いきなり税理士を変更すべきとはいえません。先にセカンドオピニオンを実施してみましょう。これによって得られるメリットを以下で紹介していきます。
現在受けている税務サービスが、自社のニーズや業界水準に照らして適切なものかどうかを、第三者の専門家の視点から評価することができます。
たとえば、税務申告の方法や提案内容の妥当性、税務調査対応の適切性などについて、ほかの税理士の意見を聞くことで現状のサービスレベルを客観的に把握することが可能です。
さらに、セカンドオピニオンを通じて現在の税務サービスの強みや弱みを明確化できれば、改善すべき点も見えてくるでしょう。
異なる経験や知見を持つ税理士から意見を聞くことで、今まで気づかなかった税務戦略の可能性を見出すことができるかもしれません。
業界特有の問題、優遇制度の活用、経営環境の変化に応じた対応策など、新たな視点からのアドバイスは企業の成長戦略を考えるうえで貴重な機会となります。
また、セカンドオピニオンを通じて得られた新しいアイデアや戦略は、税務面のみならず経営全体の効率化や収益性の向上にも寄与する可能性があります。
セカンドオピニオンを通じて、現在の税務処理や申告内容に潜在的なリスクがないかを確認することもできます。
特に、税制改正への対応漏れや解釈の違いによる課税リスク、将来的な税務調査における指摘事項の可能性など、第三者の目で精査することで現状把握できていないリスクを事前にキャッチし、対策を講じることが可能となるでしょう。
さらに、複数の専門家の意見を比較することでより包括的なリスク評価が可能となり、潜在的な問題に対する予防策や対応策を事前に準備することができます。
現在の税理士報酬と提供されているサービス内容の関係性を、市場相場と照らし合わせて評価することができます。
単なる報酬額の比較だけではなく、サービスの質や範囲、対応の迅速さなども含めた総合的な費用対効果を判断できるようになれば、コストの最適化を図ることができるでしょう。
たとえば、セカンドオピニオンを通じて得られた情報をもとに、現在の税理士との契約内容の見直しや交渉を行う、といったことも可能です。
特定の分野に専門性を持つ税理士のセカンドオピニオンサービスを利用することで、より高度な専門知識に基づいたアドバイスを受けることができます。
たとえば国際税務、事業承継、組織再編など、特殊な分野に強みを持つ専門家からのアドバイスは重要な経営判断を行う際の貴重な参考情報となります。
複数の税理士の専門性・経験・コミュニケーション能力・コストなどを比較することで、自社に最適な税理士を選定するための具体的な判断材料を得ることができます。
また、その過程では自社の税務上のニーズをあらためて明確に整理でき、「自社に適した税理士、サービスとは何か」という点を再認識することにつながるでしょう。
長期的なパートナーシップを構築するうえで、このような比較検討はとても重要です。
セカンドオピニオンを効果的に活用するために注意しておきたい点がいくつか挙げられます。
1つは、「顧問税理士との関係性への配慮」です。セカンドオピニオンを求めること自体は問題ありませんが、その後も誠実なコミュニケーションを心がける必要があります。必要に応じてセカンドオピニオンを求める意図を説明し、理解を得ることができれば、良好な関係を維持することができるでしょう。
また、漠然とした不安や「なんとなく」という理由でセカンドオピニオンを求めるのではなく、事前に具体的な相談内容や目的を明確にしておくが大事です。
たとえば、特定の税務処理の妥当性を確認したい、事業承継に関する税務戦略について相談したい、など具体的な論点を整理しておきましょう。
さらに、セカンドオピニオンを求める税理士の選定も重要なポイントといえます。相談内容に関して高い専門性・豊富な実務経験を持つ税理士を選ぶことが、より具体的で実践的なアドバイスの獲得につながります。
なお、セカンドオピニオンによって得られた評価もあくまでも判断材料の1つとして捉えることが大切です。必要に応じてさらに別の税理士にチェックしてもらうなど、さまざまな視点から現状を評価していくようにしましょう。