福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 税理士を変更する流れを5つのステップで解説
顧問税理士は、会社の税務を代行したり節税対策のアドバイスをしたり、重要な役割を担う存在です。
現在の税理士に不満があるなら変更を検討した方が会社のためといえます。
税理士変更にあたって「何から手をつければいいのだろう」とお悩みの方に向けて基本的な流れを解説していきますので、参考にしていただければと思います。
まずは、現在契約中の税理士との間で取り交わした契約書の内容を確認しましょう。契約解除の条件や手続方法についてのルールが定められているかもしれません。
例えば「契約解除を申し出る期間」についての定めが置かれていることがあります。契約解除をしたいときはいつまでに相手方に伝える必要があるのか、その期間より短く解除をするにはどうしないといけないのか、場合によっては違約金が発生することもあるので注意しましょう。
契約内容も考慮しつつ、解約を申し入れる時期を計画的に考えていきます。
現在の税理士に解約を申し入れる前に、新しい税理士探しも始めておく必要があります。先に解約をしてしまうと税理士がいない期間ができてしまい、税務に支障をきたすおそれがあるためです。
すぐに新たな依頼先が見つかるとは限りませんし、引き継ぎなどもしていると実際に稼働し始めるまでに期間が空いてしまいます。
なお、現在の税理士を変更する目的と照らし合わせて、新たな税理士に何を求めるのかを明らかにしておきましょう。変更後も同じ問題が生じたのでは意味がありません。
また、次の点も考慮して税理士を探すと良いでしょう。
・税理士が得意とする分野
・これまでの実績
・依頼費用
・コミュニケーション能力
新たな税理士が選定できれば、現在の税理士に解約の意思を伝えます。契約を終わらせる理由、その伝え方には注意が必要です。理由について聞かれたとすれば、正直に答えることがその税理士のためにもなりますが、言い方次第では喧嘩別れのようになってしまうおそれがあります。
後々税務調査などの場面で税理士と連絡を取る可能性もありますし、契約解除を快く思わず書類・データの返却に協力的になってくれない可能性もあります。
不満があったとしても、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
現在の税理士との関係性を完全に終わらせる前にしておくべき重要な作業があります。それは「預けた書類やそのデータを回収する」ことです。
税理士は、経理処理や税務申告業務、経営や資金調達のアドバイスなど、法人のお金周りのサポートを全般的に行うため、会社の重要書類を取り扱います。次に挙げるような様々な書類を保有していることがありますので、すべて回収しておきましょう。
・法人税や消費税の申告書
・青色申告の承認申請書
・消費税についての各種届出書
・請求書
・納品書
・伝票
・総勘定元帳 など
自社の重要な情報が外部へ漏れるリスクを下げるためにも重要ですし、次の税理士への業務引き継ぎでも必要になります。
新しい顧問税理士と契約を交わして正式に依頼を出すときは、頼みたい業務内容を詳しく伝えておきましょう。仕事内容やその範囲によって必要な費用が変わってきます。料金体系は依頼先となる税理士事務所によって異なりますので、費用対効果の高さに着目して税理士を選ぶと良いです。
また、変更することとなった経緯を事前に伝えておくとミスマッチを防ぎやすくなります。
契約書へのサインをする前に細かい点もしっかりと確認していき、少しでも分からないことがあるなら直接税理士に確認しておくようにしましょう。
新しい税理士への引き継ぎをスムーズにするためには、会社の現状をよく知ってもらう必要があります。また、これまでの会計処理の方法についても把握してもらった方が良いです。
そこで会社の基本的な情報を伝えるために「定款」や「商業登記簿謄本」を準備し、さらに「直近3期分の税務申告書」「総勘定元帳」も提出しましょう。
他にも次の書類を準備しておくとより良いです。
・決算書
・給与台帳
・現金出納帳
・仕訳帳
・請求書
・領収書
・通帳 など
税務調査への対応が必要な場面だと過去3期分は少なくとも書類が必要になりますので、そのためにも前の税理士から確実に書類を回収しておく必要があります。税理士変更は会社にとって大きな出来事であることを認識し、しっかりと備えた上で取り組むようにしましょう。