福田公認会計士事務所 > 記事コンテンツ > 会社が青色申告事業者になるにはいつまでに何の手続きが必要?
法人税の申告方法には「青色申告」と「白色申告」があり、特段の手続きを行わなければ白色申告が適用されます。
一方の青色申告は、税務署の事前承認を受けたうえで一定の帳簿書類を整備することを条件に選択できる申告方式です。青色申告事業者となるには何をしないといけないのか、期限はいつまでか、青色申告による優遇制度を利用するための基礎知識を押さえておきましょう。
青色申告は、税務署の事前承認を受けた法人だけが選択できる法人税の申告方式です。
白色申告でも法人税の申告そのものは問題なく実行できますが、青色申告を前提とした各種優遇制度は利用できません。
そのため株式会社などの事業者が青色申告を選択しない積極的な理由はあまりありません。後述するようにデメリットも存在はするものの、会社を設立したら承認申請も行うのが標準的な対応といえるでしょう。
青色申告の承認を受けるには、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。
提出方法はe-Taxによる電子申請のほか、書面を窓口に持参か郵送で提出することもできます。
提出後、税務署から却下の通知がなければ承認されたものとして扱われます。
※青色申告書によって申告しようとする事業年度の終了日(中間申告をすべき法人についてはその事業年度の開始日以後6ヶ月を経過する日)までに承認または却下の処分がなければ、その日において承認があったものとみなされる。
提出の期限は、状況に応じて次のように設定されています。
法人の状況 | 提出期限 |
|---|---|
設立初年度から適用したい | 「設立日から3ヶ月を経過した日」と「初年度終了日」のうち、いずれか早い日の前日まで |
設立から初年度終了日までの期間が3ヶ月未満の場合 | 翌事業年度開始の前日まで ※設立初年度については青色申告の適用を受けることができない。 |
既存の法人が翌期から適用したい | 適用を受けたい事業年度の開始日の前日まで |
この期限を過ぎると、その事業年度については青色申告の適用ができなくなります。会社設立後は特に、早いタイミングで提出しておくことが推奨されます。
申請書の様式は国税庁Webサイトから入手できます。
この申請書に記載する主な内容はこちらです。
申請書の作成に不安があるなら税理士に作成や確認を依頼することも検討しましょう。
※税理士が税務代理人として関与する場合には、申請書の税務代理人欄に税理士の氏名等も記載してもらう。
青色申告の適用により利用可能になる主な制度は次のとおりです。
欠損金を繰り越せる | ある事業年度の欠損金を、翌事業年度以降、一定の期間にわたって繰り越すことができる。翌期以降に黒字が生じたとき、この繰越欠損金を控除することで法人税の負担を軽減できる。 |
|---|---|
欠損金の繰戻しで還付が受けられる | 資本金額等を基準に一定規模を下回る中小企業については、当期が赤字の場合に、前期に納付した法人税の一部の還付を受けることも可能。 前期の黒字で納めた税金を、当期の赤字によって取り戻す仕組み。 |
少額減価償却資産の全額経費計上 | 資本金額等を基準に一定規模を下回る中小企業については、取得価額が30万円未満の減価償却資産について、取得した事業年度に全額を損金に算入できる。 通常、法定耐用年数に応じて数年に分けて損金算入するが、特例を適用すれば取得年度に一度に経費計上可能 ※年間の合計取得価額の上限は300万円。 |
ただし、青色申告事業者となることで税務上の負担も一定程度発生します。
所定の帳簿書類を備え付けて取引を正確に記帳し、一定期間保存することについては、法人一般に義務付けられています。しかし青色申告事業者についてはさらに、複式簿記による記帳や決算関係書類等を整然と保存するといった追加の要件も求められるのです。
※複式簿記:資産・負債・純資産・収益・費用の増減を体系的に把握できるようにする厳格な記帳方法。
青色申告の承認申請やその後の記帳・申告に不安がある場合には、制度や実務に精通した税理士に相談しましょう。具体的な要件や自社の状況に即した対応を確認しながら進めると安心です。